誰でも年を取れば、体は衰え、肌のハリもなくなります。
耳の聞こえが悪くなったり、物忘れをしたりするのは誰にでも起こることです。
それでも生活を楽しむことはできます。
しかし、日常生活を一人で送れないほど認知機能が低下すると困ったことになります。
人の力を借りなければ外出もままならない、お薬の管理やお金の計算ができない、お料理の仕方がわからない・・・。
そんな「認知症」の患者さんは約600万人以上。
また、その予備軍とされる軽度認知症害の人も同じくらいいるといわれます。(2020年厚生労働省)
団塊の世代が75歳を超える2025年には認知症患者の数だけで700万人は優に超えると予測されます。
認知症は予防も治療も可能
認知症は、発症してからは完治が難しい病気とされています。
しかし、実際は進行を緩やかにすることは可能です。
認知症の種類と原因は様々で、大きく分けると、①アルツハイマー型認知症、②脳血管性認知症、③レビー小体型認知症、です。
認知症の中でも7割を占めるのがアルツハイマー型認知症です。
アルツハイマー病はある日突然かかる病気だと思っている人も多いかもしれません。しかしアミロイドβは20年くらいかけて蓄積するのです。
最初は年のせいかな?と言う程度の物忘れかもしれません。
それを放っておくと同年代と比べて明らかに認知機能が低下していき、気付いた頃には軽度認知症になります。
この状態のまま何もせずに放置するとさらに進行して、日常生活も困難な状態になっていきます。
進行したアルツハイマー病になると、既に脳細胞の損傷が激しく、根治は難しくなります。とにかく早く手を打てば、進行を止めることも、正常に戻すことも可能です。
認知症は、生活習慣との関わりが高く、食事や運動、人との関わり方などの生活習慣の改善によって予防や改善が可能であることが知られています。
40代から始まる認知症。
自分のリスクを知って早めに生活習慣を改善したいですね。
その大きなきっかけとなるのが認知症リスク検査ーApoE遺伝子検査です。
ApoE遺伝子検査とは
アルツハイマー型認知症は、アミロイドβペプチドと言う老廃物が脳内に蓄積し、神経細胞がダメージを受けることで発症します。
ApoE遺伝子検査はアミロイドβペプチドの蓄積や凝集に関わると言われているアポリポ蛋白Eの遺伝子タイプを解析することで、認知症のリスクを判定する検査です。
特にApoE4は最も強力なアルツハイマーの危険遺伝子。
・ApoE4を一つ親から受け継いでいると、リスクは30%上昇。
・2つ保有していれば(両親から受け継いだ)優に50%~90%のリスク
・一つもなければリスクはわずか9%
と言うことになります。
特に身内にアルツハイマー型認知症の方がいらしたら、やはりリスクが高いので気になるところですね。
しかし大切なのは、遺伝的リスクを知ることではなく、予防のために行動することです。
検査結果に基づいて、アドバイスもついてきますので、ぜひ毎日の生活習慣の改善に役立てていただきたいと思います!
(執筆:分子栄養学カウンセラー 大野真理)