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子供のうつ症状、不登校も栄養で改善する?!SSRIが効かない高メチレーションタイプの場合

お子さんのうつ症状、不登校の悩みも実は栄養状態との関係が大いにあります。

脳は特に栄養の影響を受けやすい臓器だからです。

栄養素での改善の速さがよくわかる例がありましたのでご紹介します。

15歳の男の子ですが、仮にAくんとします。

主訴

やる気が出ない

朝起きるのが辛い

うつっぽい

突発的な精神症状が見られる

というのが主訴でした。

特にいじめがあるとかいう訳ではなく、体調の問題で学校に行けない状態が続いていました。手汗やむくみも見られました。

お薬は以下のものが処方されていました。

・エビリファイ・ジェイゾロフト(SSRI)・ベルソムラ

SSRIが効かないタイプのうつがある〜うつの5つのタイプ〜

SSRIのジェイゾロフトに関しては、実は中止の方向で検討していただくことになりました。

なぜならA君はSSRIが効かないタイプだったからです。

SSRIとは、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(せんたくてきセロトニンさいとりこみそがいやく)です。

要は、セロトニンという幸せホルモンが足りなくて、うつっぽくなっているんだったら、セロトニンを増やせばいいよねという考えで作られているお薬です。

でもうつ症状や精神症状の原因はセロトニン不足だけではないのです。

ウイリアムウォルシュ博士が2800人ものうつ病患者に対して検査を行って割り出したところによると

うつは、脳の生化学的なタイプから5つに分けることができます。

低メチレーション

セロトニンが足りない、SSRIが効くタイプ。メチオニン、B6不足。

高メチレーション(葉酸欠乏タイプ)

セロトニン、ドーパミンが増えすぎている。SSRIが効かないタイプ。葉酸、ナイアシンが欠乏している。

ピロールタイプ

神経伝達物質のGABAが低下。B6と亜鉛不足。

銅過剰タイプ

ドーパミンが低下しノルエピネフリンが上昇。亜鉛不足。

重金属蓄積タイプ

重金属によって脳神経が傷いたり、神経伝達に必要な栄養が阻害されている。重金属の除去が必要。

つまりA君は高メチレーションタイプだったのです。このタイプの人がSSRIをとっても効かないだけでなく、むしろ気分が悪くなることもあります。

それで、お薬は調整して、ビタミンB群やその他不足していた栄養素を摂取していただきました。

*メチレーションのタイプは血液検査で見ています。

脳神経系正常化に食生活の改善は必須

上記のように、うつ症状(精神症状)には6つものパターンがあることを考えると、症状の改善には単純に抗うつ薬を飲めば良いというものでもないことがご理解いただけるかと思います。

自分のタイプを知って対策をするのが何より近道です。

そして同時に食事の改善も必須です。

脳に与える影響が大きい砂糖(糖質)には特に注意が必要です。

脳と腸は強い相関関係にあるので、腸内環境を悪化させる食べ物にも気をつけたいところ。

それで、グルテン(小麦)カゼイン(乳製品)も極力控えめにお願いしています。

実はA君家族は海外にお住まいです。アジア圏なので、食事は購入することが多いのだそう。

夕食は毎日屋台でカレーやトムヤムクンなど買って食べているとのことでした。

屋台で買ったものには味の素的なもの(グルタミン酸ナトリウム)が多用されているでしょうから、その時点で脳へのダメージが大きいと考えられます。

日本で加工品に「アミノ酸など」と書いているアレです。

それに、外食で良いを使うとは考えられません。

それで、可能な範囲、自炊していただくようにお話ししました。

細かいことを言うと、高メチレーションタイプの方は、メチル基が余っている状態なので、メチオニンの多い動物性食品(肉、卵、チーズ)の摂りすぎは好ましくありません。

タンパク質は豆類など植物性のものを増やすのが好ましいという事になります。

(と言っても、A君は成長期ですし、症状が落ち着いているので通常通り手のひらサイズのお肉は食べてくださいとお伝えしています)

ちなみに、低メチレーションの人は逆ですから、お肉しっかり食べよう!ということになります。

その結果はいかに

3ヶ月ほど経過して、A君の状態をお尋ねしました。

なんと、すっかり元気になって、学校にも登校できていると言うお返事でした!!

そんなに簡単なのかと驚くかもしれませんが、少なくとも彼の場合はそうだったようです。

自分のタイプや不足した栄養素を知って、的確に対策をすればこれだけ改善することがあるというわかりやすい例でした。

私たちにとっても本当に嬉しいお知らせでした。

(執筆:分子栄養学カウンセラー大野真理)

※病態の改善に必要な食事は人によって異なります。

個人的にお試しになり健康被害が生じても、当院では責任を負いかねますのでご了承ください。

本記事の内容は、医学的治療に置き換わるものではありません。当院では、詳細な診察、検査を行った結果から個別に最適な栄養サプリメントやお食事をご提案しています。栄養対策をご希望の方は分子栄養学外来をご利用ください。

ABOUT US
橋本 知子
臨床分子栄養医学認定指導医 、高濃度ビタミンC点滴療法認定医、 アロマテラピーインストラクター、 ハーバルセラピスト、日本医師会 産業医、 日本医師会認定スポーツ医 【所属学会】 臨床分子栄養医学研究会 日本抗加齢医学会 交際抗老化再生医療医学会 点滴療法研究会 国際オーソモレキュラー医学会 日本アロマテラピー学会 日本内科学会 日本糖尿病学会 日本内科分泌会 【経歴】 平成3年 金沢医科大学卒業 平成3年 久留米大学 第4内科入局 平成4年 東京博慈会記念病院勤務 平成6年 末永病院勤務 現在に至る