
毎日のように食べているものが原因で不調になることがあります。
今日お話ししたいのは、一般的な、食べてすぐにアナフィラキシーショックが出るような(IgE抗体)食物アレルギーの事ではありません。
食べてから6〜48時間も時間が経ってから地味に反応がでる遅延型(IgG抗体)食物アレルギーのお話です。
症状が出るのが遅いので食物が原因とは気づきにくく、放置されやすく慢性化しやすいのが難点です。特によく反応が出るのが、小麦、乳製品、卵、ナッツや魚介類です。
症状としてよくあるのが疲労感。それに、肌荒れや、原因不明の蕁麻疹、下痢や便秘、腹痛。イライラなどメンタルにくることもあるし、むくみ、肩こり、頭痛、不眠、腹部膨満、鼻水、鼻詰まり、喘息など‥症状は多岐に渡ります。
・朝食や昼食でほぼ毎日同じものを食べている・ハマって同じものを続けて食べている
・好き嫌いが多い
腸管バリア機能を見ている
遅延型フードアレルギー検査で特に見たいのは、実は腸管バリア機能です。
フードアレルギーがなぜ起こるかと言うと、腸内環境の悪化によってバリア機能が破壊されるからなのです。
それで、「リーキーガット(腸漏れ)症候群」と言われるような、腸菅がボロボロの状態になっていないか確認したいわけです。
腸は、いわばザルの目が詰まったような状態で、必要なものだけが吸収されるのですが、その目が開きすぎたのがリーキーガットです。(かなり乱暴な説明ですが)
その開きすぎた隙間から、ウイルス、細菌、化学物質、有害物質や十分消化されていないペプチド状のタンパク質が侵入し、血液に乗って全身を巡ると、体は”異物が侵入してきた!!”ということで、炎症を起こしてその異物を攻撃します。
この炎症によって起こるのが、遅延型フードアレルギーの症状と言うわけです。
ただ、5歳以下の子供はみんなまだ腸が未成熟なため隙間が多くあり、リーキーガット状態です。そのため何にでも反応が出てしまうので、その反応が出たもの全てを食べないようにするとなると、”食べられるものがない!!”と言うことになります。
平成26年に日本小児アレルギー学会が、”遅延型アレルギー検査は成長障害につながるので推奨しない”と声明を出したのはもっともなことです。なんでも除去していたら栄養失調になって成長に支障が出ますものね。
しかし大人になっても、何にでも反応が出ていたら、”リーキーガットになっているかもしれない”と推測できます。まずは特に反応が強く出ているものは避けつつ、腸管の修復に手をつけていきたいところです。
遅延型フードアレルギーを治す
これは筆者(大野)のフードアレルギー検査の結果の一部です。全部で192項目もチェックできます。
私は、乳製品と卵に強い反応が出ていて、あとは大豆やひよこ豆、グリーンピース、ホエイ(乳清)が中程度でした。
卵は毎日のように食べるので出るかもしれないなと思っていました。
乳製品は合わない自覚があり、既にほぼカットしています。大豆、ひよこ豆もたまにしか食べません。
ホエイプロテインも反応が出てしまいましたね;
小麦系はあまり反応が出ていなかったので嬉しいです。でもパンを食べたあとは少し膨満感がありますし、リーキーガットを助長する食品なので基本的には摂っていません。
さて、まずは毎日食べていたものは、2週間抜いてみたいと思います。そして2週間後に改めて食べてどんな反応が出るか試してみます。
毎日のように食べていた卵が食べられないのは痛いです。でも2週間後に食べてみてさほど影響を感じなければ少しずつ再開したいです。ダメだなと思ったら半年ほどカットしてみます。
要はリーキーガットになっている腸管の修復が重要です。腸が健全になれば除去していた食べ物も平気になります。
腸を修復するには食生活全般を見直す必要があります。
・添加物、加工品、精製された砂糖を控えめにする
・腸粘膜を荒らしやすい小麦製品、乳製品をやめる
・野菜やキノコ、海藻類を毎食手のひらに乗る量食べる
・乳酸菌や消化酵素サプリを利用する
・ボーンブロススープ、出汁など消化しやすく腸を癒す系のタンパク質を摂る
自分に合っていない食物を一時的に除去し、腸管を修復する栄養素(ビタミンA、亜鉛、グルタミンなど)を摂ることで、サクッとお困りの症状を改善できるかもしれません。
よかったら一度、遅延型フードアレルギー検査を受けにいらしてください。
(執筆:分子栄養学カウンセラー大野真理)