
有機酸検査って聞いたことありますか?
この検査は、栄養療法でよく使う検査の一つです。
得られる情報がとても多いのですが、一般的にはあまり知られていない、ちょっとマニアック寄りの検査。
今日は、「有機酸検査が気になるけど、これって何?」という方向けに、簡単にご紹介していきます。
有機酸検査とは
アメリカにあるグレートプレーンズ研究所が提供している尿検査です。
尿の中には、代謝によってできた代謝産物(有機酸など)が含まれます。
これらの量を調べることで、「脳・腸・ミトコンドリアの状態」を詳しく知ることができるのです。
では具体的に、どんなことが分かるのでしょうか?
有機酸検査で分かること
「脳・腸・ミトコンドリアの状態」を推測するために調べるのは、全部で77項目。
77の検査データから分かることは、例えばこんなこと達です。
- 腸内悪性菌の増殖の有無
- ATP産生回路がうまく回っているか/どこで止まっているか
(→ミトコンドリアの状態や、有害物質の有無とも関連します。) - 神経伝達物質のバランス
- シュウ酸溜まっていないか
- 脂肪酸の代謝
- アミノ酸代謝
- メチレーションの状態
より詳細に知りたい方のために、検査項目(カテゴリ名)も一応載せておきますね。
解毒回路の代謝 ミトコンドリアマーカー(クレブス回路代謝物、アミノ酸代謝物)
フェニルアラニンとチロシン代謝物 トリプトファン代謝物 ピリミジン代謝物
ケトン&脂肪酸酸化 栄養素マーカー 解毒の指標物質 アミノ酸代謝物 ミネラル代謝物
実際に受けてみました
参考に、わたし自身(栄養カウンセラーの宮野)が7月頃に受けたときの感想をシェアします。
一番の発見だったのは、糖質の代謝がうまくいっていないということ。
わたしは普段からふつうに糖質を摂っているのですが、それにもかかわらず、糖質を摂らずにケトンをエネルギー源にしている人みたいなデータだったんです!
実はもともと血糖値の調節は苦手だったのですが、血糖値自体は、食事でコントロールできるようになっておりました(リブレのデータ、自分の体感などから判断)。
だからもう大丈夫だと思っていたのだけど、この検査を受けたことで、
血液から細胞の中に糖質を入れることが、イマイチうまく出来ていない可能性が出てきました。
いわゆるインスリン抵抗性ってやつが潜んでいそうです。
これが続くと糖尿病......。
血液検査はA判定で、まだまだこれが血液に表れるレベルではないのですが、逆に血液検査で指摘されるようになった時には遅いので、今のうちに分かって良かったです。
改めて気を付けようと気持ちを新たにし、それと同時に、何を重点的にやるべきかがハッキリしたことを嬉しく思いました。
検査を受けた方の多くは、わたしのように、他の検査だけでは分からなかった新たな発見があったりして、現状がよりハッキリします。
そして現状が分かると、それに対して何を重点的にやった方がいいか、より適切な判断ができるようになります。
(橋本院長自身が、総合的に判断してアドバイスしております。)
有機酸検査の受け方
尿の検査なので、超簡単です!
1)尿を採って検査容器に入れる
2)冷凍庫に3時間以上入れる
3)検査依頼書に必要事項を記入して
4)尿と一緒にゆうパックで送る
「冷凍庫に入れるのにちょっと抵抗がある......」という方は、袋で何重にも包んでみてはどうでしょう?
もちろん蓋をきちんと閉めていれば、漏れることはありません。
あ、女性は、生理の時期は避けて下さいね。
有機酸検査は、受けた方がいいのか?
腸、脳(精神面)、ミトコンドリア(エネルギー産生)あたりが引っかかっていそうな方は、有機酸検査を受けてみる価値があります。
上でも書きましたが、そもそも、現状が明確になるほど、適切な手段が選びやすくなります。
そういう意味では、今の自分を表す情報は、沢山あればあるほど良いのです。
とは言え、たくさんの検査を全部し尽くす必要はありませんし、検査するとしても、有効な順番があります。
今の自分はどの検査を受けた方がいいか、まずはそこから是非ご相談ください。
優しい女性の院長が直接、相談にのります。