
毒素を排泄するのが苦手な体の人がいます。ビタミンB12やB6、亜鉛が不足している人、抗酸化力が低下している人などです。
当院では毛髪ミネラル検査やオリゴスキャンで重金属の蓄積を見ることができます。
そんな検査をしますと、解毒能力が弱い人はカドミウムなどがみょうに溜まっていることがあります。
カドミウムが体に入る経路には、実は米や野菜もあるんです。日本の土壌にカドミウムが多いということもありますし、残留農薬の影響も考えられます。
毒でも排泄できる体にすることは大切ですが、まずは健康を取り戻す根本対策として栄養豊富な旬の食材、しかも農薬や化学肥料を使わない野菜を使うようにする方が安心です。
厚生労働省によると鉄欠乏の方は特にカドミウムが溜まりやすいようです。日本人の有経女性の6割〜8割が鉄欠乏ではないかと言われているので、結果的にカドミウムが蓄積している人も多いのでしょうね。(鉄欠乏に関しては当院の55項目血液検査の中で確認できます)
鉄欠乏の対策をすることに関しては、今回は置いといてw
農薬を避ける大切さについて書きたいな〜と思い、ちょっと調べていましたら、興味深い記事を発見しました。
「現代ビジネス」のサイトで見つけた↓この記事です。
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/50668?page=2
日本人だけが知らない!日本の野菜は海外で「汚染物」扱いされている
(2017年)
日本の野菜は汚染物扱い?!
この記事は、自然栽培(肥料、農薬、除草剤を使わない)リンゴ農家で有名な木村秋則さんが書いたものです。
日本の野菜は世界と比べて安全性が高いと考えている人がほとんどのように思いますが、実はそうではないようです。
ヨーロッパの知り合いから聞いた話ですが、日本に渡航する際、このようなパンフレットを渡されたそうです。
「日本へ旅行する皆さんへ。日本は農薬の使用量が極めて多いので、旅行した際にはできるだけ野菜を食べないようにしてください。あなたの健康を害するおそれがあります」
これはなかなかショッキングな実情です。
日本は、農薬の使用量が世界的に見て非常に高いのです。
特にEUの残留農薬の基準値は日本の1/ 100だそうです。そりゃ日本の野菜はアブナイと思われて当然かもしれません。
木村さんによると、日本の農薬使用量はとにかく多く、
平成22(2010)年までのデータによると上から中国、日本、韓国、オランダ、イタリア、フランスの順で、単位面積あたりの農薬使用量は、アメリカの約7倍もあります。
中国の野菜は残留農薬が心配というイメージがありますが、日本はそれに次ぐ位置にいるんですね!!
実は昨年中国旅行に行きまして、普通の市場に連れて行ってもらいました。その際、野菜のキレイさに驚きました。
野菜のキレイさは農薬の賜物です。
私の友人は、日本から買っていった貝殻焼成カルシウムの粉末(強アルカリで安全に消毒できる)に野菜・果物を漬け込んで洗っていました。
この状況は日本も同じです。
キレイじゃないとJAが認めないそうで、決められた農薬をしっかり使ってキレイな野菜を作らなければいけない現状があるようです。
確かにキレイな農作物の安定供給のために農薬は有効です。しかしそのために健康被害が生じてしまえば、本末転倒。。。
それに、農薬の使いすぎは健康被害だけでなく、地球の未来も脅かしていることをご存知でしょうか。
猛烈な台風は誰のせい
H29年に朝倉市を襲った九州北部豪雨。猛烈な濁流が何もかも破壊し流し去る映像にはただ呆然とし、恐怖を感じました。
そして昨年(H30年)近畿地方を襲った台風24号。車やタンカーが風に煽られ、あり得ないものが吹き飛ばされる映像もまた非常に恐ろしい記憶として脳裏に焼きついています。
年々、自然災害は「これまでに経験したことのない」未曾有のものになっており、まるで映画の世界のように人類生存の危機を感じさせます。
この恐ろしい台風は温暖化が原因とはっきり言われるようになりました。
温暖化というと、工場や自動車から排泄される二酸化炭素が原因と思ってたのですが、実はそれより大きな原因が実は農業にあるかもしれないなんていう話を聞いたことがおありでしょうか?!
平成21(2009)年、アメリカ海洋大気庁(NOAA)が、地球温暖化の新たな原因について発表しました。
NOAAが原因として指摘したのは、農薬や化学肥料、家畜の排せつ物などに含まれる亜酸化窒素ガスです。
このガスの増加によって、オゾン層の破壊が進み、地球温暖化に拍車をかけているため、早急に排出削減に向けて、これらを使わない栽培を研究開発することが急務であるとホームページに掲載されたのです。
亜酸化窒素ガスは地球温暖化の原因の一つといわれる二酸化炭素の310倍の温室効果があるという驚きの報告もありました。
(これまた木村さんの記事からで恐縮です)
日本の農薬使い放題の現状が、実は自分たちの暮らしをこれほどまでに脅かしていたとは!
健康を守るためだけではなく、地球を守るためにも、自然農法がもっともっと浸透して欲しいと願わずにいられません。
消費者としては、そんな農家さんを応援し少し高価でも利用していくことが大切ですね。
今回は分子栄養学とは少し離れた内容になってしまいましたが、体のエネルギー回路をスムーズに回すことと、自然界を守る動きというのは切り離して考えることはできません。
突き詰めると、真の健康の追求というのは、自分や家族、環境・・・全てに優しいものであるはずです。
(執筆:分子栄養学カウンセラー大野真理)