
和食と言えばヘルシー料理の定番!!というイメージです。
がんや循環器系疾患の予防に有効な食事として、一般的には”精製度の低い穀物や大豆、野菜・果物を多く摂取する”とか”肉と脂肪は少なめに”というのが主流になっています。
その点、日本古来の玄米菜食だとそれを全てカバーできるのでヘルシーだよね!ということになります。
しかし、栄養面で見ると幾つか難点があるということをご存知でしょうか。
和食の難点
和食は塩分が多すぎるだけでなく、動物性たんぱく質の摂取が少ないことから低タンパク・鉄・亜鉛・ビタミンA不足になりがち、そして糖質過多になりがち・・そんな難点があります。
動物性たんぱく質が少なすぎる
私自身、マクロビオティックの元となっている日本の食養生「玄米菜食」(正食と言われます)を実践していました。
10年近く玄米と野菜中心の食事を続け、動物性たんぱく質(肉や卵)を控えた結果、すこぶる健康になったか・・・
というと、
そんなことはなく;
実はますます弱くなってしまいました。
元気そうに振舞っていましたが、実際は文字通りフラフラでした。
夜まで動けば”内臓から疲れている”と言う表現がふさわしいと感じるような状態。
フラフラめまいがして、まっすぐ立つことすら辛く、どこかにつかまっていたいくらいでした。
「私はこんなに食事に気をつけているのにどうして肉ばっかり食べている人たちの方が元気なんだろう??・・・これって何かおかしいよね」
と思うようになったのです。
(そもそも胃腸の強さからして元気な人と違いが大きいので仕方ありませんが)
そんなことを感じている頃に出会ったのが「分子整合栄養医学」でした。
血液検査から不足している栄養素を推測してもらえるとのことで60項目以上調べてもらいました。
その結果、かなり低タンパク状態で鉄欠乏性貧血だと言われ、非常に驚きました。
特にお肉や卵を避けていたことで、鉄、亜鉛、ビタミンA、ビタミンB群の不足が見られました。
*マクロビオティックが悪いという話ではなく、私の体には合わなかったということです。
「貧血を治せば、今の症状はほとんどなくなりますよ」
沢山の困った症状を抱えていた私にとってこの言葉に衝撃を受けた瞬間は忘れられません。
健康に気をつけていたのに20代、30代と不定愁訴だらけでしたから・・。
貧血(正確には鉄欠乏性貧血)は、日本では非常に軽く見られがちです。
しかし、実際は全身に影響を与え多くの病気の原因になってしまいます。
その一つは「がん」です。
乳がんや子宮がんのある方のご相談も多いですが貧血のない方はほとんどいないのです。
乳がん検診や子宮がん検診をしきりに勧められますが、がんにならないようにすることの方がどれだけ良いか、比較にもなりません。
日本人は体質と食生活ゆえに貧血になりがち。女性の皆さんに鉄欠乏がないかどうか検査して自分の状態を知って対策していただけたらと願ってやみません。
和食は糖質過多になりがち
和食のもう一つのウイークポイントは糖質過多になりがちということです。
ご飯でお腹を満たそうとする傾向がありますし、(白いご飯は美味しいですからね^^)煮物や佃煮、酢の物、すし飯、魚の煮付けなどは意外とたくさんのお砂糖を使います。
九州は特に料理に使う砂糖の量がかなり多めです。
鎖国時代から砂糖が手に入っていた長崎では、たくさんお砂糖を使った料理が"オモテナシ”でしたので今もその名残があります。。
私は長崎県で育ったので、やはり味覚がおかしくなっていて、普通のレシピ通りに作ると物足りずいつも砂糖や「みりん風調味料」を足していました。恐ろしや。沢山食べなくても太るはずです。
(今は料理に砂糖を使うことはほとんどありません。ご安心ください笑)
そして料理が甘いといえば鹿児島!
鹿児島のおばあちゃんのひじきの煮物や酢の物はもはやスイーツレベルですw
そもそも醤油から甘く作ってあります。先日鹿児島の醤油のラベルがあまりに面白かったので写真をとってしまいました。
これはそもそも[混合醤油]ですから、添加物を色々入れて醤油らしくしている代物ですが・・
大豆より砂糖やブドウ糖果糖液糖が多いと言うのはスゴいですね。
この醤油を使いつつ、お砂糖も加えるのだろうと思うと、ちょっと怖いですね。糖質の取りすぎで若くして病気のデパートになりそうです。
糖質が多すぎると何がまずいのでしょうか。
がん、糖尿病、動脈硬化、認知症、アルツハイマー・・
現代病として身近で怖い病気は全て糖質過多が大きな要因です。
日本人を悩ます病気はやはりその食習慣が関係しているのです。
今日は、”和食も完璧ではない”ということをお伝えしましたが、味噌や醤油、漬物といった発酵食品、旬の野菜をたっぷり食べる和食にはメリットもたくさんあります。
たんぱく質も意識的に加えていただき、ご飯の量や砂糖の量に気をつければバッチリです!
和食のヘルシーな部分を生かして上手に和食を楽しんでください♪
(執筆:分子栄養学カウンセラー大野真理)